どこのわんちゃんも散歩が大好きなもの…と、思っていました。
友人のわんちゃんは、時間になると先に玄関に行って待っているとか。
でも、うちのわん子は一目散に小屋へと逃げ込んでしまいます。立ったまま、じっとこちらをうかがうのです。
「お散歩、行くよ~」
「行きたくないワン」
「ほれ、行こうよ~」
「絶対に行かないワン」
助けてという目で訴えてきます。が、最後は抱きかかえて、いざ出発!これが毎回なのです。
外が嫌いなわけではありません。歩き出せば、背筋もしゃんとして、タッタと進みます。さっきのは何だったの??というくらいに。
「さあ、行くワン」
大好きなご近所さんには尻尾をフリフリです。
「好きだワン。よしよししてワ~ン。」
とても甘えん坊なわん子です。さっきは小屋から出てこなかったのに。。
苦手なわんちゃんもいます。近づいてくると私の後ろに隠れてしまいます。
「帰りたいワン」
わん子が4歳くらいで我が家にやってきて、はや5年。
やってきた日は、偶然にも夫の誕生日でした。これも不思議なご縁です。
ねこちゃん好きな夫ですが、子どもが大きくなったこともあり、「そろそろいいよ」と言ってくれたのです。それがわかって、誕生日に来てくれたのかもしれません。
犬の9歳は、人間の54~55歳くらいだそうです。あら、誰かさんとどっこいどっこいかしら?
4歳までは狭いゲージに閉じ込められていたらしく、保護犬でした。散歩に行きたくないはそのせいかもしれません。
「ここから出たくないワン」
初めて会った時のわん子は、吠えもせず、無気力でいっぱい。表情が全くありませんでした。ただ息をしているだけ。

抱っこした瞬間、私は胸がいっぱいになって、涙があふれてきました。
我が家に迎えた日は、小屋へまっしぐらでした。小屋から出て来たのは3日後、ミッキーのような声を聞かせてくれたのは10日後です。
お散歩は、地面に足をつけることからでした。外では立っているだけでぶるぶると震えが止まりません。立てるようになると、10歩くらい歩く。歩けたら、次は20歩。だんだんと増やし、1か月かかって、やっと10分の散歩が出来るようになりました。
最近では、自分から甘えてくれるようになりました。
「だっこしてワン」
飛び乗ってきます。夫や子ども達に。私には一度だけ。なぜ??お世話係は私だぞー。
もしかして、それはテーブルの上が見たいからかも?
「何か美味しいものないかいなワン」
お腹も見せるようになりました。安心しきっている顔です。体は力がぬけて、とろんとろんの完全にリラックス状態です。
「気持ちい~ワ~ン」
こうなるまで、長い5年でした。
長所は食いしん坊なこと。どんな状況でも食べていれば何とかなるものです。
それから、きれい好き。ベッドの毛布やクッションはきれいに並べ、まるで映画に出てくるふかふかベッドのようにして寝ています。
「これがいいのよーワン」
可愛い、と思わせる技が使える。首をちょっぴりかしげたり、うるうるの目で見つめたり。耳の角度も上手く調節しています。これはわん子にとって生きる技かもしれません。
「これでママもいちころだワン」
我が家へ来てくれてありがとう。貴女のおかげで、私たちはとっても幸せなのです。
私の文(ふみ)を読んでいただき、ありがとうございます。
にっこりと、楽しい時を過ごせますように。
文江
コメント